2018年スマートスピーカー市場動向から見るVUIデザインの必要性 | Amazon echo, アレクサ

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2017年10月にGoogle Home(Google)とClova WAVE(LINE)が日本で発売され、その後、11月にもAmazon Echo(アマゾンエコー)が日本上陸し、スマートスピーカー市場が注目されてきています。

また、デザインの観点からもデバイスがPCやスマホからスマートスピーカーへ変わることで、GUI(Graphical User Interface:グラフィカル ユーザー インターフェース)からVUI(Voice User Interface:ボイス ユーザー インターフェース)を考慮したデザインが求められてきます。

今回はスマートスピーカー市場の動向を見ながら、VUIデザインの必要性を考えていきたいと思います。

2018年 更なる拡大が予測されるスマート(AI)スピーカー市場

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スマートスピーカーの市場規模推移について、VoiceLabsの報告によると、2015年の世界出荷台数は170万台だったのが、2017年には2450万台と2年間で14倍になっています。前年比ベースでも約4倍にまで成長しています。

日本国内の主なスマートスピーカー比較

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上の表は日本国内における主なスマートスピーカーの比較表です。

まず、世界に先駆けて販売されたAmazon Echoは、AIにAlexa(アレクサ)を用いており、3つのグレードが用意されています。価格帯は49〜150ドルと一般ユーザーが比較的購入しやすく、AmazonサイトとEC機能などの連携に強みを持っています。

Googleから発売されたGoogle Home(グーグルホーム)は、AIにGoogle Assistant(グーグルアシスタント)を用いており、Googleらしく検索機能に強みを持っていたり、アメリカの大手小売店ウォルマートやターゲットと提携していたり、Amazon Echoに対抗しようとしています。価格帯も49〜399ドルとローエンドモデルからハイエンドモデルまで取り揃えています。

LINEから発売されたClova WAVE(クローバ ウェーブ)は、AIにClovaを使っており、LINEアプリとの連携でメッセージングに強みを持たせ、アジア圏展開を模索中です。

最後に、Apple(アップル)から2018年初旬に発売予定のHomePod(ホームポッド)は、AIにお馴染みのSiri(シリ)を使い、音にこだわったスマートスピーカーと言われています。価格帯もアップルらしくハイエンドモデル1種類で、349ドルの予定です。

このように世界の大手IT企業各社がスマートスピーカー市場に参入してきており、今後もIT業界の一つのトレンドになりそうです。

先行者Amazon Echoが市場独走状態?!

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Strategy Analyticsの報告によると、2017年3Q時点でのスマートスピーカー市場シェアは、先行者のAmazon Echoが66.9%と大きなシェアを占めています。しかし、約1年半遅れで発売されたGoogle Homeも25.3%と追い上げてきています。

また、世界的に見ると、京東商城(JD.com)、小米科技(シャオミ)、アリババといった中国勢も参入してきており、Amazon Echoが今の市場シェアをキープするのは難しいでしょう。

スマートスピーカー普及に伴い、対応アプリやサービスも急増

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Amazon Echoの拡張機能であるAlexa Skill(アレクサスキル)数の推移を見ると、2016年夏頃から増加が加速し、グーグルアシスタントアプリが少しずつ出てきた2017年の夏頃から急増しているのが分かります。また、’17年12月時点で、グーグルアシスタントアプリ数が1,766であるのに対し、アレクサスキル数は25,000を超えています。

様々なスマホアプリの増加がスマホ市場を加熱したように、スマートスピーカーにおいても、いかにスキルやアプリを自社プラットフォームで開発してもらい、ユーザーの利便性を向上できるかがシェア争いの一つのカギになりそうです。

スマートスピーカーが参入しやすい利用シーンは?

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スマートスピーカーのUXデザインやVUIデザインを考える上で、そもそもユーザーがPCやスマホよりもスマートスピーカーを使った方が便利そうな利用シーンやユースケースはどのようなものがあるでしょうか?

例えば、休憩、仕事、電車でのシーンを考えると、PCやスマホでもユーザーは十分に画面を見ながら操作でき、VUIよりもGUIの方が利便性が高いため、スマートスピーカーの参入障壁が高いのではないかと推察されます。

一方、徒歩、入浴、身支度中、車の運転中、家事中の利用シーンを想定すると、ユーザーは両手がふさがっていたり、PCやスマホの画面をじっくり見れない状態であるため、音声で操作したり、情報を聞けるスマートスピーカーに優位性があるのではないでしょうか?

このような利用シーンにおいて、役立つようなスキル・アプリを開発することができれば、逆にPCやスマホアプリ・サービスにとっては参入障壁が高く、代替しにくいサービスが作れるかもしれません。

UX・VUIデザインによる改善の余地あり

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Alexa(アレクサ)のカテゴリ別TOP100のスキルの比率を見ると、ゲーム系、音楽系、ライフスタイル系、コミュニケーション系、学習系といったGUIを用いたアプリに優位性が高そうなスキルが多くあるようです(もちろん、その中には音声ならではの利便性を備えたものもあると思いますが)。ネット上でもAmazon EchoやGoogle Homeを購入しても、結局、音楽プレーヤーくらいしか活用方法がないというコメントも散見されます。

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リリースされているアレクサスキルの評価・レビューを見ても、評価・レビューが付いていないスキルの割合が62.0%もあり、星1つのスキルと合わせると、66.8%にまで及びます。これは、ユーザーの利用したいケースとアレクサスキルの機能にまだギャップがあるものが多いということなのかもしれません。

逆に言えば、上述したようにGUIよりもVUIの方が便利な利用シーンやUX・VUIデザインを探求することで、まだまだ改善の余地があると言えそうです。

まとめ

  • スマート(AI)スピーカー市場は2017年に急成長しており、大手IT企業各社も参入しているため、2018年も更なる市場拡大が予測される。
  • 先行者であるAmazon Echoが70%近い市場シェアを占めるが、複数の競合参入により、スマートスピーカー用の利便性の高いスキル・アプリが多数開発されるプラットフォームになれるかがカギになりそう。
  • GUIよりもVUIが優位性を持つユースケースに沿ったスキル・アプリの開発が望まれるが、市場ニーズとまだギャップがあり、今後スマートスピーカーのUX・VUIデザインの必要性も高まりそう。