あなたが家電量販店業界1位のヤマダ電機会長ならどのような経営戦略を取るか?

ヤマダ電機の成長戦略

1. 地方のロードサイド店舗出店

ヤマダ電機の地域別出店数(直営店のみ)の推移を見ると、東京や首都圏よりも地方展開を中心に拡大してきたことが分かります。店舗数についても、業界2位で主に都市型出店の多いビックカメラの店舗数が213店舗(ビックカメラ・コジマ・ソフマップの合計)に対して、ヤマダ電機は955店舗(フランチャイズ加盟店を含めると12074店舗)と多いのも特徴的です。

また、ヤマダ電機の地方店舗はテックランドという店舗ブランド名で展開していて、1階に駐車場スペース、2階以上に売り場を持ってくるというロードサイドに適した店舗設計をしています。

このように1つ目の成長戦略として、地方の郊外型店舗を急速に拡大していくことで、成長を遂げていったと考えられます。

2. 家電量販店の競合企業のM&A

次にヤマダ電機の主なM&Aを見ると、2000年後半あたりから家電量販店のぷれっそホールディングス(サトームセンを運営)、キムラヤ、家電販売のチェーン展開を行なっているコスモスベリーズをグループ傘下に入れています。そして、2012年には一時期ビックカメラが株式取得していたベスト電器も子会社化しました。

家電小売以外では、’11年に住宅メーカーであるエス・バイ・エル、’12年に住宅設備機器メーカーのハウステックをM&Aで子会社化し、住宅関連事業にも本格参入していく動きを示しています。

今後もヤマダ電機の成長戦略の1つとしてM&A戦略は欠かせないものになると予測されます。

成長が頭打ちの国内の家電量販店市場

国内の家電量販店の市場規模推移ですが、地デジ放送移行とエコポイント終了による買い替えニーズが高まった2011年をピークとして、ほぼ横ばいの状態が続いています。

さらに今後、ますますECサイトやフリマアプリの市場が拡大してくると、家電量販店にとっては苦しい状況が続くのではないでしょうか。

成長著しい国内の家電EC市場

経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、国内の家電EC市場規模は’05年に4650億円だったものが’16年には1兆4278億円となっており、10年ほどで3倍以上にまで成長しています。CAGR(年平均成長率)は10.7%で、この数字からも市場の成長スピードが早いことが分かります。

また、物販系EC全体のEC化率が5.4%であるの対して、家電のEC化率は29.9%と、多くのユーザーがすでに家電をECサイト経由で購入していると言えます。大手家電量販店では、ヨドバシカメラのECサイトが好調ですが、今後もEC市場は家電量販店の成長戦略を考える上で、重要な市場になりそうです。

M&Aによる業界再編が進む家電量販店業界

大手家電量販店の主なM&Aを見ると、ヤマダ電機以外にも企業同士の合併によって業界再編が進んでいることが分かります。

ビックカメラは、’06年にソフマップと資本・業務提携を行い、その後、’10年に完全子会社化しました。また、’12年にはコジマも子会社化して、グループ傘下に入れています。

’02年に中国地方を基盤とするデオデオと中部地方を基盤とするエイデンの共同で、エディオンを設立しました。その後、’05年にはミドリ電化、’08年に石丸電気、’11年にサンキューを完全子会社化しています。

ケーズデンキを運営しているケーズホールディングスは、’04年にギガス、’07年にデンコードーを子会社化しており、ラオックスは’09年に中国の大手家電量販店を運営する蘇寧雲商(Suning)の傘下となりました。

日本国内の家電小売市場成長が停滞している状況下において、今後も家電量販店のM&Aは続くのではないでしょうか。