前回の記事「スマホニュースアプリ「全国農業新聞電子版」のUI/UXデザイン改善 Vol.1」に引き続き、前回のUXデザイン(ペルソナ設計とカスタマージャーニーマップ設計)をベースにUIデザインを考えていきます。
全国農業新聞アプリのUI/UXデザイン問題点
まずは既存のアプリのUI/UXデザインの問題点を分析していきます。分析の手順としては、大枠の部分、つまりユーザーの動線設計(画面遷移図)から見ていき、その後に各画面の問題点を考えていきます。
画面遷移図におけるUI/UXデザイン課題
上図は全国農業新聞アプリの主要画面の画面遷移図です。
有料定期購読への申込み動線が多く、一見するとユーザーを誘導しやすくしている動線設計になっているように見えますが、トップ画面にいきなり定期購読購入ボタンが配置されていたり、定期購読への心理的ハードルが下がりやすそうな記事読了後の部分に定期購読購入ボタンがなかったり、以下のペルソナのカスタマージャーニーマップに示すようなUXデザインフローと矛盾点があります。
- 記事を探す
- 記事を読む
- 記事をブックマークする
- 記事をシェアする
- 定期購読を申し込む
各画面におけるUI/UXデザイン課題
次に主要画面の課題をヒューリスティック評価で洗い出していきます。ヒューリスティック評価とは専門家による知見にもとづいて、UIデザインの観点からアプリやWEBサービスなどのチェックを行うことです。
トップ画面のヒューリスティック評価では主に以下3つの課題が見つかりました。
- カテゴリ毎に記事が整理されていないため、ユーザーが探したい記事がどこにあるのか見つけにくい。
- 記事を読む前に定期購読ボタンが目に入ってしまい、記事を未読で購入評価しにくい状態で混乱してしまいやすくなる。
- 記事検索機能がないため、記事を見つけにくい。
記事詳細画面のUIデザインの課題は以下が挙げられます。
- 表示が紙の新聞形式になっており、ペルソナが片手でスマホを操作して読みにくい。
- ブックマークボタンを押しても、紙面全体がブックマークされるため、後で本当に読みたい記事が探しにくい。
- シェアボタンをタップした時にどこの記事がシェアされるか分かりにくい。
- SNSシェアがツイッターしかなく、共有・拡散しづらい。
単品記事一覧画面のUIデザインの課題は、単品購入と定期購読について、どこがどのように異なるのか説明がないため購入を躊躇してしまう点が挙げられます。
設定画面のUIデザインの課題は以下が挙げられます。
- 一番ペルソナが購入したい気持ちになりそうな箇所(記事を読み終わったタイミング)に購入ボタンがなく、定期購読を申し込んでもらう機会を少なくしている可能性がある。
- 定期購読を購入した時のメリットや説明などが記載されていないため、購入決定を迷ってしまう。