竹中工務店の本質的な経営課題は何か?
経営戦略を考える前に、改めて竹中工務店の本質的な経営課題をまとめてみましょう。
竹中工務店は建築分野に強みを持ちつつ利益を大きく上げていますが、競合のスーパーゼネコンも同じように業績を改善しており、差が縮まっていません。また、竹中工務店と同じように建築に強みを持つ長谷工コーポレーションは受託建設だけではなく、土地持ち込みの営業や事業企画提案によって高収益を出しています。
建設市場を見ると、国内の建設投資は長期的に衰退傾向の影響から、建設業界においてもPFIやPPPへの関心が高まっています。また、国内建築物の老朽化が進み、維持修繕工事の比率が高まってきています。一方、海外の建設市場は中国とアジアが急激に成長しており、欧州やアメリカも少しずつ成長しています。
以上の経営環境から、竹中工務店の経営課題は、国内の受託建設だけではない収益の柱の創出が挙げられます。
竹中工務店の経営戦略の方向性
竹中工務店の経営課題を解決する経営戦略としては以下の2つが考えられます。
1.PFI/PPPの強化
長谷工コーポレーションをベンチマークとして、不動産・施設の事業企画、管理運営、修繕工事を包括的に受託することを強化することが考えられます。そうすることで、売上のアップだけでなく、付加価値(利益)の向上も狙えます。自社単独では時間がかかってしまうため、不動産企業をM&Aすることを視野に入れても良いかもしれません。
2.海外事業の拡大
海外事業を早く拡大するためにも海外の建設企業や海外事業比率が33%ある五洋建設のM&Aを検討するのも手かもしれません。
竹中工務店のPFI/PPP強化イメージ
M&AによってスーパーゼネコンNo.1になる
もし竹中工務店が、建設企業の五洋建設や不動産企業の森ビル、東京建物、森トラストなどをM&Aできれば、売上は1兆3795億円~1兆7165億円、営業利益は1138億円~1601億円になル可能性があり、スーパーゼネコンの中でもNo.1の座が見えてきます。もし竹中工務店が上場した場合、他のスーパーゼネコン4社のPER平均値(9.2)から時価総額は5648億円程度になると推定されるため、M&A資金を自社株で調達することも可能かもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
読者の皆さんも自分が竹中工務店の宮下正裕氏だったとしたら、同じ経営戦略を取りたいと考えられるでしょうか?それとも全く異なった経営戦略を取られるでしょうか?
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